「妊活中の食事ってどんなことに気をつけたらいいんだろう...」と思うことってありますよね。妊娠したいと思っているのになかなか妊娠できないときはまずは病院で検査を受けることが大切ですが、それに加えて妊娠しやすい健やかな体づくりとして栄養バランスを意識した食事をとることが欠かせません。
今回はこれから妊活を始めようとしている人や既に取り組んでいる人に向けて妊活中の食事について徹底解説します。
女性が妊娠したことに気づくのは早くても妊娠5週〜6週の頃です。しかしこの時期は赤ちゃんの成長にとっては脳や臓器などが作られる大切な時期であり、妊娠に気づいた時にはすでに赤ちゃんの大切な器官の多くが作られているというわけです。
そのため妊娠を希望している間からいつ妊娠をしてもいいように摂取する栄養や食事について気をつけていくことが大切になります。
妊活中から特に気をつけて摂取したい栄養素は以下の通りです。
・たんぱく質
・葉酸
・鉄
・ビタミンE
・亜鉛
これらの栄養素について説明していきます。
たんぱく質は人間の体を作る栄養素として欠かせません。ホルモンや酵素、筋肉、血管など体のあらゆる部分で必要となりますが、体内で他の栄養素から合成することができないため、必ず食事から摂取することになります。
18〜49歳の女性では1日のたんぱく質摂取の推定平均必要量は40g/日、推奨量として50g/日となっています。妊娠中は以下の表にあるように必要なたんぱく質量が増えてきます。
【妊娠初期】
推定平均必要量 +20g/日
推奨量 +25g/日
【妊娠中期】
推定平均必要量 +5g/日
推奨量 +10g/日
妊娠中は女性の普段の必要量に比べて赤ちゃんの成長のためにより多くのたんぱく質が必要になるわけです。たんぱく質の摂取の仕方として植物性・動物性たんぱく質と共にバランスよく摂取することをおすすめします。
・植物性たんぱく質
豆腐
大豆製品
卵
・動物性たんぱく質
鶏肉
魚
豚肉
1日の食事量が減ってしまうと必然的に摂取するたんぱく質量も減ってしまうため、普段の食事からたんぱく質が多く摂取できる献立やバランスを考える必要があるでしょう。
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)2019年 p126,p379
妊娠前からの葉酸摂取が必要なことはご存知の方も多いと思います。
葉酸とは水溶性ビタミンであるビタミンB群のひとつで、赤ちゃんの脳の発育を助けたり、神経を作ったりする大事な栄養素です。
胎児期に脊髄や脊椎の癒合(ゆごう)不全が生じる二分脊椎などの神経管閉鎖障害の発症のリスクを減らすために、葉酸の摂取は妊娠の1ヶ月前以上から妊娠3ヶ月まで行うべきという事が2000年に厚生労働省からも通知として出されています。
妊活中の女性の葉酸の推奨摂取量は1日640μg(食事から240μg+サプリメントなどから400μg)、妊娠中は480μgとなっています。
また葉酸は細胞の分裂を助け卵子の成長や受精卵の着床にも必要になる栄養素です。さらにビタミンB12と一緒に葉酸を摂取することで葉酸の吸収率が高まることも指摘されています。
・葉酸を多く含む食品
ブロッコリー
レタス
ごぼう
ほうれん草
アボカド
菜の花
アスパラガス
春菊
小松菜
モロヘイヤ
枝豆
干し椎茸
焼きのり
イチゴ など
・ビタミンB12が多く含まれる食品
レバー
あさり
さんま
いくら
イワシ など
葉酸は水溶性ビタミンであり、調理中の加熱によって栄養素が失われやすいため摂取するときは電子レンジで温めるなどの工夫も必要です。また食品中の葉酸摂取だと含まれる葉酸の量にばらつきがあるため、栄養補助食品などからも摂取することが推奨されています。
鉄は全身に酸素を運ぶ血液の元になるものであり、日常的に女性に不足しがちな栄養素のひとつです。女性は生理によって毎月鉄が失われ、妊娠中には多くの酸素を赤ちゃんに届けるために鉄がよりたくさん必要になります。
さらに妊娠のときの受精にも多くの鉄が必要になり、子宮内膜を作る材料になったり、子宮の中の環境を良くすることにも繋がります。
18〜49歳の女性(月経あり・妊娠なし)で鉄の1日の推定平均必要量は8.5〜9.0mg/日、推奨量は10.5mg/日となっています。
妊娠中は以下のように鉄を多く摂取する必要があります。
【妊娠初期】
推定平均必要量 +2g/日
推奨量 +2.5g/日
【妊娠初期】
推定平均必要量 +8g/日
推奨量 +9.5g/日
鉄の摂取で気をつけたいのが鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があるということです。
鉄がたんぱく質と結合しているのがヘム鉄であり動物性食品に多く含まれており、たんぱく質と結合していないのが非ヘム鉄であり植物性食品に多く含まれています。植物性の食品に多く含まれている非ヘム鉄は体への吸収率が悪いためビタミンCなどと一緒に摂取すると吸収率が上がるといわれています。
・鉄を多く含む食品
【動物性食品】
牛赤身肉
レバー
かつお
あさり
【植物性食品】
ほうれん草
小松菜
ひじき
がんもどき
大豆
納豆
動物性食品に含まれる鉄は、体への吸収率が植物性食品と比べて5倍ともいわれています。
赤身の肉や魚などの動物性食品を普段の食事から上手にとることが大切です。
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)2019年 p311-,p366,p 379
ビタミンEは脂溶性のビタミンです。抗酸化作用があり、体内の酸化や老化を防ぎ卵子の状態を良くするのにも役立つといわれています。またビタミンEは体内の血液の流れを良くしたり、ホルモンを調整したりと冷え性の改善を図るのにも良い栄養素です。
ビタミンEの女性の1日の目安量は5.2mg/日であり、妊娠中の目安量は6.5mg/日となっています。
・ビタミンEを多く含む食品
かぼちゃ
ナッツ類(アーモンド、落花生など)
アボカド
春菊
かぼちゃ
ほうれん草
にら
うなぎ
さんま
イワシ
ビタミンEは脂溶性ビタミンであるため、調理をするときには油で炒めたり、オリーブオイルを混ぜて摂取することで栄養成分の吸収率が上がります。
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)2019年 p188-,p379
亜鉛は細胞分裂を促し粘膜を作る材料にもなります。たんぱく質の代謝を促したり皮膚や髪のトラブルを改善するため、妊娠前からだけでなく産後にも意識して摂取したい栄養素であるといえるでしょう。
妊活では卵子の成長を良くして受精卵の細胞分裂を促すことに必要な栄養素となります。
18〜49歳の女性の亜鉛の推定平均必要量は1日7mg/日、推奨量は8mg/日となり、妊婦はこれに加えて推定平均必要量は+1mg/日、推奨量は+2mg/日となっています。
・亜鉛が多く含まれる食品
牡蠣
牛赤身肉
うなぎ
レバー
卵黄
高野豆腐
まいたけ
山いも
里いも
ひじき
わかめ
昆布
ナッツ類 など
植物性食品に含まれる鉄と同様にビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が上がるのでおすすめです。
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)2019年 p322-,p379
最後に妊活中の食事で注意をしたいことを見てみましょう。
ビタミンAは脂溶性ビタミンのひとつで、体内では合成されない栄養素ですが胎児の成長には必須の栄養素になります。胎盤を通して胎児に供給されています。
ビタミンAは鶏・豚のレバーやうなぎなどに多く含まれます。
しかしこのビタミンAを多く摂り過ぎることで腹痛や悪心嘔吐などの急性中毒症状や催奇形性などを起こす可能性があることが指摘されています。
さらにサプリメントとしてビタミンA補給剤を10,000IU/日以上を継続的に摂取した女性から生まれた児に催奇形性の発現率が増えることが認められると想定されたことにより、厚生労働省からサプリメントの内服でビタミンAを過剰に摂取しないようにと過去に指導も出ています。
イギリスでは定期的にレバーを摂取している人や骨粗しょう症になる可能性が高い人に対してビタミンA摂取量における注意喚起を行っています。それによると特に妊娠中や妊娠を希望する女性はビタミンAを含むサプリメントは摂らないことやレバーやレバー製品を摂らないことが示されています。
日本でも厚生労働省より「非妊娠時及び妊娠前半期内のビタミンA所要量はいずれも1,800IUであり、所要量は増加しないので、特にビタミンAを含有する健康食品やビタミンAを高濃度に含有する食品等の継続的な多量摂取」を避けるようにとの通知が出ています。
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)2019年 p171-,p379
ここまで妊娠中により必要になる栄養素や注意しなければならない栄養素を選び、妊活中から気をつけて摂取できるよう説明をしてきましたが、これら全て完璧にクリアできるよう頑張る必要はありません。
栄養素に気をつけるあまりに偏った食事を摂ったり、食事内容を考えるのにストレスを抱えたりすることは避けましょう。
栄養素に気をつけるあまり毎日自炊を頑張る必要もなく、ときに外食をして気分転換をしたり、時間がないときはなるべく栄養バランスが整った弁当を買ったりするのでも構いません。
妊娠しやすい体づくりには過度なストレスがない生活で適正な体重を維持し、必要な栄養素やバランスが整った食事を摂取しながら適度な運動を続けて規則正しい生活を送ることが一番です。
妊活を始めたらなるべく早い時期から食事内容に気をつけていきたいものです。
ただし妊活中の食事ではこれを食べるから、またはこれを食べないから妊娠できるというものはありません。妊活中の食事はまずは健やかな体づくりが大切、そのひとつの方法として食事や食生活の改善があることを忘れてはいけません。
また自己判断で過度に栄養素の取り過ぎや不足がないように、適宜医師や栄養士などに相談しながら健やかな体づくりをしていくことも大切です。
妊活中には過度なストレスがかからないように「これを食べなければならない」と自分にプレッシャーをかけ過ぎないように食事には気をつけていきましょう。
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