赤ちゃんが欲しいという願いから始めた妊活。しかし、なかなかうまくいかずに思い詰め、うつ状態になってしまう方もいます。ご自身のためにもパートナーの為にもどのような状態が妊活うつなのか、また、妊活うつになったときにはどうすれば良いのかについて探っていきましょう。
妊活うつとは、妊活によるストレスでうつ状態になってしまうことを指す言葉です。妊活は「赤ちゃんが欲しいけれど、なかなか妊娠しない。妊娠しても、なかなか継続しない」というすでにストレスフルな状況から始めることが多いため、ストレスが溜まりやすく、うつ状態にもなりやすいです。症状はうつ病と変わりありません。
とりわけ以下のような状況では、妊活うつを感じやすくなるかもしれません。
妊活うつに陥りやすい時
●妊活の期間が長引いている時
●身近な人から「妊娠した」「赤ちゃんが生まれた」という報告を受けた時
●不妊治療によって心身の痛みを感じる時
最初は「子どもが欲しい」という前向きな気持ちで始めた妊活でも、なかなか結果が出ないと、気分が滅入り、うつ状態になることがあります。生理が訪れる度に落ち込み、自分が人間として不完全なような気持ちになるかもしれません。
また、不妊治療を実施することで、重い生理痛のような痛みを感じ、社会生活が送れなくなってしまう方もいます。職場の理解を得られない場合や職場に妊活のことを相談しづらい場合は、「会社の人々に迷惑をかけている…」「ダメな社員と思われているのでは?」と悩み、さらにストレスを抱えることになるでしょう。
気分が落ち込むことや無力感を覚えること、死にたくなることは、誰にでもあることです。しかし、あまりにも長く気分が落ち込んだり、死について考えたりすることは、うつ病の可能性があります。一日中、あるいは長期にわたって次のような思いにとらわれている時は、心療内科で相談する必要があります。
うつ病に見られる症状
●いつも憂鬱
●何をしても楽しくない
●何に対しても興味が持てない
●眠れない、一日中眠気を感じる、予定よりもかなり早く目覚める
●イライラする
●自分は無価値な人間だと感じる
●深く考えることができなくなる
●死にたくなる
上記で紹介した症状に加え、妊活中の場合には、次のような症状も感じることもあります。
妊活うつでよく見られる症状
●他人の幸せを喜べない
●人と会うのが億劫だ
●すぐに泣いたり怒ったりする
妊活うつになると、他人の幸せを喜べなくなることがあります。同じように不妊治療をしていた友人から「妊娠した」という知らせを聞いても、口では「良かったね」と言いながらも、心の中では「わざわざ言わなくても良いのに…。嫌みかなあ?」などと少し斜に構えたことを思ってしまうかもしれません。
また、知り合いや出産関係でなくても、幸せそうな人すべてが憎くなることもあります。有名人の出産報告や、親戚の子どもの受験合格など、本来ならばおめでたい出来事のはずがめでたく感じられなくなってしまいます。何を聞いても、「そんなことより、私がどれほど苦しいか分かるの?」と自分の辛さに置き換えてしまい、人生の喜びを感じることができなくなってしまうのです。
うつ状態が進むと、人と会うことも嫌になります。最初は、母親や子ども・赤ちゃんが多い場所を避け、徐々にすべての人を避けるようになっていきます。
人と会うのが辛くなると、社会生活も難しくなります。会社を辞めて家に引きこもり、必要最小限の外出しかしないようになる方も少なくありません。
憂鬱な状態が続くと、自分の感情をコントロールすることが難しくなっていきます。他人のちょっとした言葉で傷つき、「私のことを無能な人間だと思っているんだ」と落ち込んだり、「なんてひどい人!」と怒りを爆発させたりします。
何の脈絡もなく、いきなり涙が出てくることもあるでしょう。哀しい・辛いと感じているわけではないのに涙があふれてしまうため、営業職や接客業の場合は業務に支障が生じることもあります。
「なかなか妊娠しない」「妊娠しても継続しない」という状態から始まることも多い不妊治療。ストレスフルな状況から始まるため、抑うつ状態になりやすいのも仕方のないことです。妊活うつになった時は、以下の4つの対処法を順に試してみることをおすすめします。
妊活うつの対処法
●婦人科で相談する
●心療内科でカウンセリングを受ける
●パートナーと話し合う
●妊活を中断する
まずは不妊治療で通っている婦人科で相談してみましょう。不妊治療を行っていない場合には、「2.心療内科でカウンセリングを受ける」からご覧ください。
不妊治療中に抑うつ状態を感じる方は少なくないので、医療機関で相談サービスや妊活サークルを準備していることもあります。同じ境遇で悩む人の話を聞いたり、自分の気持ちを打ち明けたりすることで、心が軽くなることもあるでしょう。
婦人科での相談が難しい場合や不妊治療で通院していない場合は、お近くの心療内科を受診してみましょう。カウンセリングを受けることで、気持ちが軽くなることもあります。
なお、うつ病の治療は、通常は「カウンセリング」と「薬物療法」を並行して行います。しかし、妊活中は薬物療法に抵抗を感じる方も多いでしょう。必ず医師に妊活中であることを告げ、適切な治療を受けるようにしてください。
妊活うつの状態に陥ると、感情をコントロールすることが難しく、冷静で理論的な話し合いも難しくなってしまいます。一番身近な存在であるパートナーにも、「あなたのせいで私は苦しんでいる!」「自分ばかり楽な思いをして!」などと傷つける発言をしてしまうかもしれません。
パートナーが「妊活で疲れているから、少々の暴言は仕方のないこと」と理解してくれるならば問題はありませんが、言葉通りに受け取ってしまうと夫婦仲にひびが入ることにもなりかねません。いきなりパートナーに気持ちをぶつけるよりは、婦人科や心療内科で相談してから、悩みを丁寧に話し合うほうが良いでしょう。
妊活うつの状態が深刻で、話し合っても抑うつ状態が解消されない場合は、妊活を止めるという選択肢も検討してみてください。
妊活を始めると「赤ちゃんを産む」というゴールしか目に入らないようになりがちです。すぐにゴールが達成できれば良いのですが、達成までに時間がかかるケースや達成できないケースも少なくありません。赤ちゃんが生まれること以外にも人生には目的があり、喜びがあるということを思い起こすためにも、一度、妊活から離れてみてはいかがでしょうか。
もちろん、「もう一度、妊活したい」と思える時が来れば、妊活を始めることもできます。まずは妊活を中断し、ご自分(もしくはパートナー)の身体的・精神的健康と幸福を優先させてみましょう。
妊活中にうつ状態になることは、決して特別なケースではありません。しかし、うつ状態を放置しておくと、症状が深刻化・長期化する恐れがあります。「辛いな」「しんどいな」と思ったら、早めに医療機関に相談して対処するようにしてください。また男性はパートナーが妊活うつになった際にはやく気づけるよう妊活うつを覚えておいてくださいね。
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