以前のブログの記事で男性の精子の質が流産に結び付く可能性をご紹介しましたが(「精子のサビつきが流産の原因に!?」)、女性も早期早産を防ぐために妊娠する前に食べておいた方が良い食べ物が最新の研究で報告されました。
妊娠37週未満の出産は早産といわれており、特に、34週未満で生まれた場合は早期早産と呼ばれ、生まれた子供に重篤な後遺症が出現する可能性が高いことが報告されています。
早期早産を防ぐためには、どのような食生活が重要でしょうか。最近の研究で、妊娠前にヨーグルト・納豆・味噌汁等発酵食品を食べている女性は妊娠34週までにうまれてしまう早期早産の発生が少なくなることが報告されました。また、複数回の出産を経験した女性のうち、早産歴のある方の統計をとったところ、納豆を食べる頻度の多かった女性の方が、早期早産のリスクが下がるということもわかっています。特に、味噌汁は、週に1 日以上のペースで食べるだけでリスクが低くなる傾向にあるとのことです※1。
ただ、①たくさん食べても効果が上がるわけでないので、少なくとも週に1回発酵食品を摂るように心がける②あくまでも妊娠前の調査のため妊娠した後では、これらの発酵食品を摂取しても早期早産を予防できるかわからない、ということに注意してもらえればと思います。
また、妊娠中では子宮が大きくなることで、腸が圧迫されてしまい動きが悪くなり、便秘になりやすいこともわかっています※2。便秘解消のためには、継続して発酵食品を食べることが大切ですが、1種類の発酵食品だけを摂ることよりも、複数の発酵食品を摂った方が、ビフィズス菌が増えることが報告されているので、※3是非色々な発酵食品を食べてみましょう。
どちらにしても、妊娠前に発酵食品を摂取することはこれから生まれる赤ちゃんにとってはとても良いことなので、是非妊活を考えている女性は食べてみてください。
※1 Eskelinen, S. et al. Endocr Pract 13. (2007): 743-749.
※2 坂本一久. "妊婦の便秘." 助産婦雑誌 43.2 (1989): 122-125.
※3 Olivares, M. et al. Journal of dairy research 73.04 (2006): 492-498.