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精子の運動性に影響する精液成分を発表(日本生殖医学会)

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”男性不妊”の原因究明へ

精子の運動性に影響する精液成分を発表

杉山産婦人科男性不妊専門医との共同研究成果を日本生殖医学会で発表

広島大学発ベンチャーの株式会社ダンテ(本社:東京都港区、代表取締役:瀧本陽介 以下当社)は、杉山産婦人科の寺井一隆医師(男性不妊専門医)との男性不妊患者を対象にした共同研究において、「クレアチン」の経口摂取で精液中の「クレアチン」濃度が有意に上昇し、精子濃度と精子運動率が有意に増加したことを確認したことをお知らせします。

今回の研究成果は、杉山産婦人科と当社の共同で、2021年11月11日〜11月12日に開催された「第66回日本生殖医学会学術講演会・総会」で発表されました。

 【発表内容】

①目的:「クレアチン」を経口摂取することにより、不妊治療中の男性の精液成分中のクレアチン濃度と精子運動性がどのように変化するかを調査しました。

②結果:「クレアチン」を経口摂取すると、精液中の「クレアチン」濃度が有意に上昇し、精子濃度と精子運動率が有意に増加しました。

精液成分の「クレアチン」濃度は、2週間の「クレアチン」の摂取で変化しました。

③考察とまとめ:「クレアチン」を摂取することにより、精液成分中のクレアチン濃度の向上し、精子の運動性が改善する可能性が示唆されました。

プレスリリースはこちら

■研究の背景

 世界保健機関(WHO)の2017年の調査によると、不妊の原因の48%は男性側にあると言われています。しかし、男性不妊の原因が究明されていないことから明確な治療法や改善方法がないのが現在の状況です。このことは、女性の妊活に比べて男性の妊活が認知されていない要因のひとつでもあります。

 当社は、男性不妊の原因究明の糸口が精液成分にあることに着目し、男性の妊活に重要な成分とその機能について明らかにしてきました。 

 受精に重要な精子の運動は、精子のエンジンであるミトコンドリアで酸素を使って運動エネルギーとして消費することで生まれます。精子は、運動エネルギーが不足するとその運動を止めてしまいます。当社は、2017年~2018年にかけて、生殖科学の第一人者で広島大学の島田昌之教授(ダンテCTO)との研究により、精液中に多く含まれる「クレアチン」は、精子のミトコンドリアで運動エネルギー補充する働きをすることで(図1)、精子の運動性を改善することをマウスの実験で突き止めました。

 「クレアチン」は、アミノ酸の一種で、アスリートなど筋肉をよく使う人はサプリメント等で補うことでも知られる成分です。精液中の「クレアチン」は、生殖器官で作られ、その量は個人差が大きいことが特長です。

 そこで、当社は島田教授との研究成果を元にヒトを対象にした検証を行うことにしました。2019年に杉山産婦人科の男性不妊専門医である寺井一隆医師と共同で、男性不妊患者の精液中の「クレアチン」濃度と精子の運動性が「クレアチン」を経口で摂取した場合にどのように変化するかを調査しました。

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図1.  精子の仕組みと「クレアチン」の働き

■研究の内容と結果

【目的】「クレアチン」を経口摂取することにより、ヒトの精液成分中のクレアチン濃度と精子運動性がどのように変化するかを調査する。

【内容】2019年5月~12月にかけて来院した男性不妊外来受診者のうち、精子濃度が500万/ml以上かつ精子運動率が5%以上40%未満の精子無力症の方で、研究参加への同意を得られた29名を対象に検討を行いました。

 被験者は「クレアチン」を含むサプリメント1日あたり20gを7日間、1日あたり5gを7日間の計14日間(2週間)摂取し、、摂取前と摂取後にて精液中の「クレアチン」濃度の測定と、精液量・精子濃度・精子運動率・前進率・平均速度(VAP)といった精液検査を実施し、比較しました。

【結果】「クレアチン」摂取の前後で、精子自動分析装置による精液検査と精液中のクレアチン濃度を測定した結果、「クレアチン」を2週間摂取した後は精液中の「クレアチン」濃度が有意に上昇し、精子濃度と精子運動率が有意に増加しました(図2)。この結果からは、精液成分の「クレアチン」濃度は2週間の「クレアチン」摂取で変化することも示しています。

【考察】今回の調査から、「クレアチン」を摂取することにより、精液成分中のクレアチン濃度の向上し、精子の運動性が改善する可能性が示唆されました。

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図2. 男性不妊外来受診者の「クレアチン」摂取前(0W)と摂取後(2W)の比較

■今度の展望と課題

 本研究は、精液中の成分のひとつ「クレアチン」が、精子の運動性に関与することを明らかにした上、2週間という短期間で精液成分の変化を確認することができました。「クレアチン」を摂取することによる精液成分中のクレアチン濃度の向上によって精子の運動性が改善する可能性を示しました。

 このことは、「クレアチン」の摂取が、これまでの治療法とは作用機序が異なる新しい治療選択の一つとして確立できる可能性もあり、男性不妊の解決に貢献できることが期待されます。

 今後は、男性不妊の原因を明らかにするためにも、男性不妊症の方と不妊症でない方の「クレアチン」と精子の運動性とのデータを増やして、検討していく必要があります。また、「クレアチン」を摂取した場合の妊娠との関連性を明らかにする効果検証を実施することで、男性不妊の解決を目指してまいります。 

 不妊という社会課題の解決には、女性と男性の両軸での取り組みが重要と考えます。

私たちは、精液成分の研究から得られた知見から男性不妊の原因を明らかにし、男性の妊活の選択肢を増やし、より多くの方々の「子供を授かりたい」という想いを全力で応援したいと考えています。

本リリースの問合せ:株式会社ダンテ(ヘルスケアシステムズグループ会社)

広報担当:高実子(たかじつこ)

pr@dantte.jp

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