「赤ちゃんが欲しいのになかなかできない」という悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。赤ちゃんができないといっても、「結婚したらすぐに妊娠すると思っていたのに…」「不妊治療を始めたのにできない」「すぐに1人目は生まれたのに、2人目がなかなかできない」など、さまざまなシチュエーションがあるでしょう。この記事では、赤ちゃんが1年できないときに考えられること、試してみたいことを解説します。
日本産婦人科学会では、妊娠を望む健康な男女が1年間避妊をしないで性交しているにも関わらず赤ちゃんができないことを「不妊」だとしています。もちろん、結婚しているからといって赤ちゃんを産む必要はありませんが、夫婦で話し合って「子どもを持ちたい」という結論が出ているなら、不妊治療を検討してもよいでしょう。
妊娠しやすさは、人によっても異なります。一般的に、妊娠を望んでいるのに1年間妊娠できないときに不妊治療を始めることが多いですが、次の状況に該当している場合は、1年を待たずとも不妊治療を始めることができます。
早めに不妊治療を始めるほうが良い状況
●排卵がない
●子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫、卵管閉鎖などの疾患がある
●過去に骨盤腹膜炎にかかったことがある
●年齢が気になる
排卵がない方や生理が1年に数回程度しか訪れない方は、妊娠する機会が少ない分、赤ちゃんができにくくなっています。子どもを持ちたい場合は、薬剤などを用いて人工的に排卵を起こすこともできるでしょう。
また、子宮内膜症の方や子宮筋腫、卵巣嚢腫、卵管閉鎖がある方、過去に骨盤腹膜炎にかかったことがある方も、自然妊娠しにくいと考えられます。早めに不妊治療を開始することで、妊娠・出産しやすい状態を作っておきましょう。
年齢が気になる方も、早めの不妊治療がおすすめです。男性・女性ともに年齢が高くなるほど妊娠しにくくなるので、特に子どもを希望しているけれども結婚が遅かったカップルは1年を待つのではなく早めに健康チェックや不妊治療に取り組むほうが良いでしょう。
1年以上赤ちゃんができなくても、かならずしも男性側・女性側の体に、あるいは両方の体に問題があるとは言い切れません。不妊検査を受けて「何も問題はない」と言われたときは、以下の事柄に当てはまらないか考えてみてください。
体以外の不妊の原因
●ストレス
●性交が少ない
●原因なし
強いストレスを受けると、プロラクチンというホルモンの分泌量が増えることがあります。プロラクチンは排卵を抑える働きもあるため、妊娠しづらくなる可能性があります。
また、心と体はつながっているため、ストレスで体調不良になる方も多いでしょう。赤ちゃんができないと悩む方は、ストレスへの対処法も身につけていく必要があります。
性交が少ない場合には、自然妊娠する可能性は低くなります。特に妊娠しやすい排卵日の3日前から排卵日にかけては毎日もしくは1日置きにすることが望ましいです。
なお、性交が多すぎると精液が薄くなるという俗説は間違いです。逆に古い精子を溜めるほうが精子のDNA損傷率を高めることになり、妊娠の可能性を低めてしまいます。
特にストレスフルな生活を送っているわけでもなく、性交の回数が少ないわけでもない、また、不妊検査をしても何か妊娠しにくい症状があるわけでもない…。そんな場合でも、1年以上妊娠しないことがあります。
望んでいるのに妊娠できないときは、「何が原因なんだろう」「生活を改善しなくては」と自分やパートナーを追い詰めてしまうかもしれません。しかし、原因がなくても妊娠しないことは珍しくないという事実を知っておくなら、無用なストレスやトラブルを回避することもできるでしょう。
赤ちゃんができないことに悩んでいる方は、まずは医療機関で不妊検査を受けてみましょう。不妊の原因が見つかった場合は治療や対処を実施することで、妊娠に一歩近づくことができます。
不妊検査を受ける場所
●不妊治療を実施している婦人科（女性、男性）
●不妊治療を実施している泌尿器科（男性）
●不妊治療の専門クリニック
通常の不妊検査は健康保険の適用内です。しかし、特殊な検査や人工授精、体外受精などは保険が適用にならないこともあります。気になるときは、検査前に保険適用かどうかについても尋ねましょう。
赤ちゃんができないとき、ただ悩んでいるだけでは何の解決にもなりません。そもそもストレスは不妊の原因の1つですから、「赤ちゃんができない。どうしよう…」と思いつめることは逆効果になってしまいます。
不妊検査や不妊治療を専門とする医療機関に行くことももちろん大切ですが、妊娠しやすい環境づくりも大切です。赤ちゃんが欲しいときは、次のことも実施していきましょう。
赤ちゃんが欲しいときに注意したいこと（男性編）
●ひざの上に長時間パソコンを乗せるなど、陰嚢に熱を加えることは極力避ける
●喫煙は性機能や精子数にマイナスの影響を与えるので、禁煙する
●栄養バランスに注意し、健康な生活を目指す
●ストレスなく夫婦で楽しく暮らせるように、パートナーに配慮する
赤ちゃんが欲しいときに注意したいこと（女性編）
●腰回りを温めるなど、冷えを予防する
●過度の肥満や痩せすぎは妊娠しにくくなることがあるので、体重管理を意識する
●喫煙は胎児の成長に影響を与え流産率を高めるので、禁煙する
●栄養バランスに注意し、健康な生活を目指す
●ストレスなく夫婦で楽しく暮らせるように、パートナーに配慮する
「赤ちゃんができないけれども、不妊治療を始める勇気がない」という方もいらっしゃるでしょう。医療機関で検査を受けることすら、拒否感を覚える方もいるかもしれません。
しかし、不妊に悩む方は珍しくなく、実際に3組に1組の夫婦が不妊を心配したことがあり、6組に1組の夫婦が実際に医療機関で不妊検査や不妊治療を受けたことがあるのです。赤ちゃんができないことは決して珍しいことではないので、気軽に相談し、気軽に診察を受けてみましょう。
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