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妊娠できても、赤ちゃんがお母さんのお腹の外では生きていけない妊娠22週より前に赤ちゃんが亡くなってしまうことを流産といいます。頻度としては、妊娠の15%前後が流産するという報告もあり、決して低い確率ではありません。
最近の研究で、3回以上続けて流産を繰り返すカップルと流産を経験したことのないカップルを調査したところ、前者のカップルの男性精子のDNAの損傷が2倍ほど多いことが報告されました※1。その原因として、活性酸素が考えられており、実際に流産を繰り返すカップルの男性たちの精子は、流産を経験したことのない男性と比較して活性酸素の量が 4倍ほど多いことが示されています。
もちろん流産の原因が男性側だけにあるわけではないですが、今までは流産の主な原因は女性にあると考えられていたため、その考えに一石を投じる面白い研究です。
またこの研究では、流産を経験した男性パートナーは、やや太り過ぎの傾向もあったということで、適正体重にしていくことも大切なのかもしれません。
※1Jayasena, C. N., et al. Clinical chemistry, 2019, 65.1: 161-169.