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性別を決めている遺伝子は性染色体であり、女性はXX、男性はXYという染色体をもっています。これは哺乳類でも同じなのですが、実はY染色体をもたない哺乳類が日本にいます。
その名もトゲネズミ。日本にしかいない種類のネズミで、天然記念物になっており、沖縄島にはオキナワトゲネズミ、奄美大島にはアマミトゲネズミ、徳之島にはトクノシマトゲネズミと3つの島にそれぞれ別の種類のトゲネズミがいます。そして、そのうちのアマミトゲネズミとトクノシマトゲネズミは性染色体がオスもメスもX染色体しかもっていません(オキナワトゲネズミはメスがXX、オスがXYで通常の哺乳類と一緒!)。
このトゲネズミは、進化の過程でY染色体を失っていますが、しっかりとオスの個体もいて、交尾によって子孫を残しています。X染色体だけでもオスとメスがいる理由としては、元々Y染色体上にあった遺伝子が他の染色体に入り込んで、その遺伝子が性別を決定しているのではないかと考えられていますが、詳しいことはまだ明らかになっていません。
オーストラリアの遺伝学者Jennifer Graves博士は、進化にともなってY染色体はどんどん短くなっていき、いつか哺乳類ではY染色体が消えてしまう日が来るかもしれないと提唱しています。本当にそんな日が訪れるか、男性にとっては怖い話です。